迷いびとえくすとら


その1 超能力者7人で迷う
その2 おすもうさん7人で迷う
その3 もっとすごい超能力者7人で迷う
その4 英国紳士7人で迷う


その1
超能力者7人で迷う

「超能力使男です。宙に浮けます。頑張れば一分は持ちます」
「……超能力有男という。そうだな、五キロくらいのものなら浮かせることができるぞ。 三分が限度だが」
「超能力凄郎だ。あー、俺も有男さんと似たようなもんだ。俺は十キロくらい行くけどな。 時間ももうちょい長くできる」
「超能力備子よ。あたしは飛べるの。っていっても、ちょっと床から足が離れるくらいだ けど。時間も一瞬だしね」
なんで浮くか浮かせるかの能力しかねえんだよ!? しかもそのお姉ちゃんのは 超能力じゃなくてただのジャンプだろ!
「待て……こう考えるんだ! 有男君と凄郎君が力を合わせれば、十五キロのものを 五分くらいは浮かせられるんじゃないか、と!」
「おお、つまりどういうことだ!?」
「うむ、そのテーブルとか持ち上がるんじゃないか!?」
「おお、持ち上げてどうする!?」
「すごいなあーと思う!」
「…………」
「わあ! やめろ、俺を浮かすな! 怖い怖い怖い! 重量オーバーだろうが!?」
「落ちろ!」


その2
おすもうさん7人で迷う

「こ、ここはどこでごわすか!? 両国に帰りたいでごわす!」
「砂漠!? こんなところで取り組みをしたら、足を取られるでごわす!」
「おいどん、ちゃんこを食べたいでごわす!」
「どすこーい!」
「相撲取りに偏見を持ちすぎでごわすな」


その3
もっとすごい超能力者7人で迷う

「フッ。この私、超能力極助が、みなさんをご自宅までお送りしましょう。エイッ!」

FIN


その4
英国紳士7人で迷う

「おやおや、困りましたな。タキシードが汚れてしまいました」
「おっと、あなたお怪我をしておられる。このハンケチをお使いなさい」
「これはかたじけない。このご恩は必ずやお返しいたしますぞ、紳士の誇りにかけて」
「さあ皆さん、一服しながら解決策を話し合おうではありませんか。幸いわたくし、最高 級の紅茶を持っております」
「おお、私も持っておりますぞ! 懐の茶葉は英国紳士のたしなみです」
「その通りですな。私も持っております。紅茶には困りませんなあ」」
「ハッハッハ、ならば問題ありませんな。イングリッシュジョークでも言い合いましょう」
「英国紳士にも偏見を持ちすぎですな」



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