その1
超能力者7人で迷う
「超能力使男です。宙に浮けます。頑張れば一分は持ちます」
「……超能力有男という。そうだな、五キロくらいのものなら浮かせることができるぞ。
三分が限度だが」
「超能力凄郎だ。あー、俺も有男さんと似たようなもんだ。俺は十キロくらい行くけどな。
時間ももうちょい長くできる」
「超能力備子よ。あたしは飛べるの。っていっても、ちょっと床から足が離れるくらいだ
けど。時間も一瞬だしね」
「なんで浮くか浮かせるかの能力しかねえんだよ!? しかもそのお姉ちゃんのは
超能力じゃなくてただのジャンプだろ!」
「待て……こう考えるんだ! 有男君と凄郎君が力を合わせれば、十五キロのものを
五分くらいは浮かせられるんじゃないか、と!」
「おお、つまりどういうことだ!?」
「うむ、そのテーブルとか持ち上がるんじゃないか!?」
「おお、持ち上げてどうする!?」
「すごいなあーと思う!」
「…………」
「わあ! やめろ、俺を浮かすな! 怖い怖い怖い! 重量オーバーだろうが!?」
「落ちろ!」
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